日記

とてもふていき。

Papa told me のこと②

こんばんは。

 

社会人になってから、とにかく仕事に自分の時間を奪われている!と感じるのが嫌になってしまいました。


家に帰ってからご飯食べて速攻寝るという健康的生活に耐えられず、ぼんやり2時3時まで起きていることが多いです。

それでも最近はだいぶマシで。マシで、というか寝落ちしているだけなのですが。
大体12時周りにはヨギボーの上ですやすやしています。

書き物をしていることが多いので、パソコンを抱えながらやや無理な姿勢で落ちるせいで、体中痛いしドライアイも顕著です。
常に目がかゆい。むくんでる。おまけに低気圧。ハアマジサイアク。
思わずギャルの人格が出ちゃいますが、ほんまみんなアゲで生きてこうな。

 

今日は久しぶりに起きちゃう日でありましたので、
Papa told me のお話をしようかと思います。

まだの方はぜひ①の方も読んでみてください~。

 

今回は一巻の大好きな所の話をしていきます。

 

まず、これはもう大前提!
で、
本当にこの作品のすごいところ!
なのですが、
とにかく読者に与える情報の取捨選択スキルが高い。
そのため心理描写にも過不足がない。
たった一コマの切なげな表情で、すべて理解できてしまうのです。

 

第一話「シティ チャイルド」の時点で、
その鮮やかな手腕が遺憾なく発揮されており、
信吉・知世親子の性格や彼らを取り巻く環境が、
極めてクリアに提示されています。

 

例えば、家族構成、住環境、親子の親密さ、知世の利発さ、
信吉が自由業者でベテラン主夫となった自分に感じている気おくれ・罪悪感のようなもの。
そして、知世本人が作中ずっと抱えることになる孤独・父に愛されないことへの不安、
田舎の祖母の”可哀そう”に脅かされる二人の生活等、
もうこの時点で知世と信吉の戦いは始まっており、
そしてこれからもずっと続くであろうことが示唆されています。

 

この情報量を嫌味なく読者に伝えるそのスキルに息をのんでしまいます。

何より第一話で私が好きなシーンは、
最後の方のページで、知世が自分を抱き上げた信吉に言うこのセリフです。

 

「重かったらそう言ってね

無理しなくていいからね

私 平気だからね」

 

同話冒頭で信吉が盗み読みした知世の作文には、
「お父さんのポケットに入っていつも一緒にいたい」
と書かれていました。

それを考えながら読むと、
この台詞と、大人びた知世の笑顔が、
それ自体は小さなコマなのに、とても胸に迫ってきます。

それを受けた信吉のモノローグもまたよくて。

 

―――時々
本当は僕の方が
彼女のポケットに入ってるんじゃないかと思う

 

榛野なな恵さんが素晴らしいのは、
特にセリフを受信した側、受け手の表情の描き方・内心のモノローグがとても細やかな所。
繊細な会話も、無遠慮に人を傷つける言葉(一話の場合は田舎の祖母の電話)の醜悪さも、どうしてこんなにまっすぐ飛んでくるんだろう、
解像度が高いんだろう、と惚れ惚れしてしまいます。
特にこのモノローグ含めラストのやり取りをがすごく衝撃的で、
この親子を好きにならざるを得ないというか、
応援せざるをえないというか、
見守りたいと強く思ってしまいました。

 

画面にはやや暖色のドライ感が漂っていて、
それもまたファンタジーとリアルな都会感の均衡を表しているように思います。

 

一話だけでこんなに話せてしまう。
恐ろしい作品です。

 

本日はこれまで!

おやすみなさい~。